アルデヒドとケトンのハロゲンによるα位のハロゲン化は実験室における一般的なα置換反応の一つといえます。
この反応は酸性条件で行われ、溶媒としては酢酸、ハロゲンとしては臭素がよく用いられます。
一般的な反応機構は以下のとおりです。(酸条件下であるにもかかわらず下ではbaseつまり、塩基が登場しますが、これは水や酢酸の共役塩基などで十分です。)
また、この反応によって生じたα-ブロモケトンは、塩基とともに加熱されることでα-β不飽和ケトンになります。この反応は有機合成において利用価値があります。この一連の流れの反応は分子中にC=Cを導入する優れた方法の一つです。反応例としては以下のようなものがあります。
また、この反応の例からもう一つわかることがあります。それは一段回目のハロゲン化は、より多く置換された方に臭素が付加するということです。
参考 マクマリー有機化学 中 第8版 p836 p837