アルケンのアルコキシ水銀化(アルケン→エーテル)

アルケンはトリフルオロ酢酸水銀$(CF_3CO_2)_2Hg$の存在下でアルコールとアルコキシ水銀化反応を起こし、続いて$NaBH_4$によって還元されることでエーテルになります。

以下がアルコキシ水銀化ー還元反応の例です。

アルコキシ水銀化反応の機構はオキシ水銀化反応において水がエタノールになっただけです。$Hg^{2+}$がアルケンに求電子付加し、マーキュリウムイオンができ、これにアルコールが付加します。アルコールはカチオン安定化能の高い置換基に付加します。これはSN1置換反応と同様です(Markovnikov則)。一方、カルボカチオン中間体を形成しないので転移などの副反応が抑制できる点はSN1置換反応と異なるといえます。

アルコキシ水銀化反応では第一級、第二級、さらには第三級のアルコールでさえも容易に反応します。ただし、エーテル$R-O-R’$において$R$と$R’$がともに第3級であるものは立体障害のため作ることができません。

参考:
マクマリー有機化学 上 第8版 p257,p258
マクマリー有機化学 中 第8版  p647
https://www.chem-station.com/odos/2009/06/–oxymercuration-demercuration.html

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