マスキング効果と協同効果

マスキング効果は分離対象である金属イオン以外の混入割合を低下させるのに対し、協同効果は分離対象である金属イオンの分配比を直接増加させます。

マスキング効果

マスキング効果では、目的の金属以外の混入を防ぐために、「マスキング剤」というものを配位子として利用します。

マスキング剤には、

  1. 分離対象である金属イオンには配位しにくく、除去したい金属イオンには配位しやすい
  2. 除去したい金属イオンに配位しても、電荷が残る

の2つの条件を満たしたものが使用されます。
代表的なマスキング剤として EDTA があります。EDTA は 6 配位であり、多くの遷移金属イオンと錯形成するので、分離対象が 6 配位でない場合に用いられます。(条件「1」を満たす)さらに、4価の陰イオンであるため、一般的には 3 価以下である金属イオンと配位してもマイナスの電荷が残るので、条件「2」も満たしています。

協同効果

協同効果では目的の金属イオンをさらに分離させるために「協同効果試薬」というものが用いられます。例えば、4 配位の銅に配位子として例えば、oxine が配位していて、この錯体を水相から油相に分配したいとします。この錯体は以下の図のように、水相中では遠いところ上下に水が弱く配位した状態になると考えられます。この上下方向に配位する水分子は水中で水素結合により安定化してしまい、これが油相への分配を妨げていると考えられます。

このようなときに、「協同効果試薬」として、pridene を使用すると、右図のよう上下に配位する水を追い出して、結果として錯イオン全体が非極性の表面に覆われることになり、油相への分配比を増加させることができます。

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