共通イオン効果と共存イオン効果

共通イオン効果(共役塩効果)

共通イオン効果(共役塩効果とも言います)とは、溶解度積が一定であることから、沈殿を構成するイオンのうち、片方を過剰に加えた場合、沈殿が増加するというものです。これはルシャトリエの原理の実践であり、実際、定性分析において、より完全に沈殿を生成させたいときに用いられる。しかし、大過剰に加えてしまうと後述の共存イオン効果が支配的になるため、加える場合はやや過剰(10%程度)にとどめておくのがよいと言われています。

共存イオン効果(共存塩効果)

共存イオン効果(共存塩効果とも言います)とは溶液中の陽イオンや陰イオンが多く存在すると、溶けているイオンが安定化するというものです。イオン濃度が増加すると、個々のイオンは,全体としてそれと反対の電荷をもつイオンの集団,いわゆるイオン雰囲気でとり囲まれるようになります。そのため、中心電荷のイオンの影響が相対的に下がるため、イオン同士の引力が小さくなります。
イオン強度が大きいほど中心イオンとイオン雰囲気との電荷の差が小さくなるため、共存塩効果が強く働き、沈殿の溶解度を増加させることになります。

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