精度の異なる測定
一般に$x_i±σ_i$という値の集合が得られたとき、平均値$μ$と標準偏差$σ_μ$は
$$μ=\f{\sm{i}{} {\f{x_i}{σ_i^2}}}{\sm{i}{} \f{1}{σ_i^2}} ,
σ_μ^2=\f{1}{\sm{i}{} \f{1}{σ_i^2}}$$
例)
最初の50回の測定で$1.451±0.009{\rm V}$,装置を変えて続く10回で$1.448±0.004{\rm V}$という値が得られた場合、
$μ=\f{50×\f{1.451}{0.009^2}+10×\f{1.448}{0.004^2}}{50×\f{1}{0.009^2}+10×\f{1}{0.004^2}}=1.449$
$σ_μ=\f{1}{\sqrt{50×\f{1}{0.009^2}+10×\f{1}{0.004^2}}}=0.001$
全体としては
$1.449±0.001{\rm V}$となる。
信頼限界
Studentのt
$t$は表(資料)として与えられる。(標本数~の時に信頼限界~%の時、$t$=~というふうに)
$X=\overline{X}±tS_m(S_m:平均標準偏差)$
とした時、真の値$X$は何%の確率でこの範囲にはいっているのか検証可能。
例)
$$34.3 , 34.2 , 33.9 , 34.0 , 35.1$$
という5つの値が得られている場合、
$\overline{X}=34.3(平均値) , S_m=0.524(標本標準偏差) , N=5(標本数)$
信頼限界95%のとき、$N=5$に対して、$t=2.78$と与えられる。(この$t$は資料より与えられる)
よって、
$$\begin{eqnarray}
X&=&\overline{X}±tS_m\\
&=&34.3±\f{2.78×0.524}{\sqrt{5}}\\
&=&34.3±0.65\\
&=&34.3±0.7(誤差はからなず一桁で丸める)
\end{eqnarray}
$$
棄却 検定
Q検定
データは「なんとなく」で消却してはいけない。ただ、正規分布を仮定したときに異常かどうかを見積もることができる。
$$Q=\frac{|異常値-最近接値| }{ 最大値-最小値 }$$
この$Q$の値が測定回数に応じて決まる極限値$Q_0$(これについても試行回数と信頼限界それぞれに対応した表(資料)によって与えられる)より大きい場合異常値を棄却してもよい。
例)
$$22.5 , 20.4 , 19.8 , 19.5\\
20.3 , 20.1 , 20.2 , 20.3$$
という結果の場合
$異常値 : 22.5\\
異常値の最近接値 : 20.4\\
最大値 : 22.5\\
最小値 : 19.5\\$
となるから、
$$Q=\f{|22.5-20.4|}{22.5-19.5}=0.7$$
測定回数8回のときの$Q_0=0.64$より今回は$Q>Q_0$である。
よって22.5は棄却してもよい。
そして、残った7つの数字で議論する。