置換滴定法とは、分析する化学種を適当な反応により等量の別の化学種に置換し、これを滴定することで間接的に分析する方法のことです。
あまり良いキレート指示薬がない$\rm Ca$のキレート滴定がその例です。
例えば、$\rm Mg^{2+}$の$\rm EDTA$錯体の安定度は中程度であり、$\rm Ca^{2+}$より小さいので、$\rm Ca^{2+}$の溶液に$\rm [Mg(edta)]^{2-}$を加えると、
$$\rm Ca^{2+}+[Mg(edta)]^{2-}→Mg^{2+}+[Ca(edta)]^{2-}$$
という反応が起こります。よって、遊離した$\rm Mg^{2+}$を$\rm EDTA$で滴定することで、間接的に$\rm Ca^{2+}$を定量できます。この方法はあまり良いキレート指示薬がない金属である$\rm Ca$の滴定法としてしられています。
参考)
無機・分析化学演習 p349