実験科学には測定がつきもの
何を図る?→物理量、長さ、質量
$$測定には誤差がつきもの、誤差をどう取り扱うかが実験上重要→誤差論$$
誤差の原因や真の値を測定する方法、データをどう読み取り取り扱うかについて学ぶ
いろいろな量
- 絶対的に与えられる量
光速度や万有引力定数など円周$2πr$の「2」や「$π$」などの無限に正確な抽象的な量 - 測定で求める量
物の長さ、速度など我々が測定する多くの物質量 - 理論的に求まる量
ある物理的、科学的モデルが正しいと仮定した場合に得られる量
誤差論で問題になるのは通常 2 . の量なので真の値は我々にはわからないことが普通。
ただし、ある仮定の下にある範囲で推定することは可能。
この仮定というのはサンプルが多ければ統計に従うという仮定である。
測定値と誤差
・絶対誤差と相対誤差
実測値を$x$,
真の値を$X$
$ε$を
$$ε=|x-X|$$
と定義すると、$ε$を絶対誤差
$$(相対誤差)=\f{|ε|}{|X|}$$を相対誤差という
例)$1.00 ppm$標準溶液の測定結果は$1.02 ppm$
$$絶対誤差 |1.02| – |1.00| = 0.02 ppm $$相対誤差$$\f{|1.02| – |1.00|}{|1.00|} ×100= 2\% $$
系統誤差と偶然誤差
- 系統誤差・・生じる原因が決まっていて、一定のずれが生じる誤差
これは原理的に除去可能な誤差
例)測定者の癖、装置のずれ - 偶然誤差・・人間には制御不能な様々な原因による誤差
ランダムに発生するので統計の知識で真の値に迫ることができる。(除去することはできない)
例)電子天秤の値のふらつき
精度と真度(正確さ)
よく、「精度がいい」というが、実社会ではあいまいな使われ方をしている。
正確には
精度:ばらつきの大小
真度:真の値との遠近
平均値と標準偏差
正規分布曲線からサンプルを取り出したときどういうことが言えるのか?
平均値
・N個のデータ、x1,x2,x3・・xnに対して、
標準偏差
・Nが無限であれば、以下式で表せる母標準偏差σを使うことができる。
(Xは真の値)
・しかし、我々には真の値はわからず、Nも有限なので、以下の式であらわされる標本標準偏差sを用いる
標本標準偏差では真の値の代わりに測定値の中で一番真の値に近いであろう平均値を用いている。また、その影響でN→N-1に変わる。
sは各々の測定理のばらつきを示す指標で、 sのばらつきを示す平均標準偏差Smは
と表される。
結局真の値とは
と範囲をつけて推定される。