F検定 と t検定

F検定とt検定

分析結果が偶然誤差だけで説明可能かどうかを判定する手段→検定

F検定

F検定:2種類の方法で得られた結果の標準偏差に有意な差があるかどうか調べることができる。(具体的には2標本間が等分散かどうか調べる)

F検定の手順

\begin{eqnarray}
(1&)&F=\f{S^2_1}{S^2_2}(S_1>S_2)を計算\\
(2&)&自由度のv_1,v_2に対応するF_0値を表から求める\\
(3&)&F>F_0ならば有意さがあり、F>F_0ならば有意さなし
\end{eqnarray}

t検定

t検定:2種類の方法で得られた結果の平均値に有意な差があるのかを知らべることができる。(ただし2つの方法が正規分布で等分散であることが仮定されているので、先だってF検定が必要)

t検定は以下の(a)のやり方か(b)のやり方いずれかを行う
\begin{eqnarray}
(a&)&真の値Xが既知の時…t=|\overline{x}-X|\f{\sqrt{N}}{S}\\
(b&)&平均値の差の検定…t=\f{|\overline{x_1}-\overline{x_2}|}{σ_p}\sqrt{\f{N_1N_2}{N_1+N_2}}\left(ただし、σ_p=\sqrt{\f{(N_1-1)S^2_1+(N_2-1)S^2_2}{N_1+N_2-2}}\right)
\end{eqnarray}

t検定の手順

\begin{eqnarray}
(1&)&2つの方法の標準偏差に差がないことをF検定でチェック\\
(2&)&前の式よりσ_p を計算し、tを求める\\
(3&)&自由度N_1+N_2-2に対応するt_0 値を資料からみつける。\\
(4&)&t>t_0ならば有意差あり, t<t_0 ならば有意差なし
\end{eqnarray}

例)2種類の方法で以下の結果を得た。

  $x_1$ $y_1$
  20.3 22.0
  18.9 18.4
  21.4 17.0
  18.0 17.8
  19.2 16.7
  23.0 22.0
平均 20.1 19.0
分散 3.35 5.81
自由度 5 5

まず、F検定
$F=\f{5.81}{3.35}=1.73\\
この時のF_0=5.05なので、F<F_0より等分散$

つぎに、t検定
$σ_pは\\
σ_p=\sqrt{\f{5×3.35+5×5.81}{6+6-2}}=2.14\\
tは\\
t=\f{|20.1-19.0|}{2.14}\sqrt{\f{6×6}{6+6}}=0.88$

自由度10の$t_0$値は資料より2.228なので、両方法の間に、平均値の有意な差はない。(どちらの方法でも同様に真の値を推定できる)

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