H30 有機化学

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分子内アルドール反応です。


アゾビスイソブチロニトリルは代表的なラジカル開始剤です。加熱するだけで容易にホモリシスを起こすのが特徴です。
参考文献)ウォーレン有機化学 下 第二版 p1037

※アミドのSchottenn-Baumann合成です。反応機構からわかるように、酸塩化物とアミンからアミドを形成する反応はHClが1当量を副生するので、これをもう1当量のアミンで中和する必要があります。アミドを合成する際に生じるHClを中和するいは、別法として、NaOHのようなアミン以外の塩基共存下で反応を行う必要があります。この方法の問題として、$\rm HO^-$が酸塩化物を攻撃してカルボン酸を生じる可能性があります。SchottenとBaumannは19世紀の終わりにこの問題を解決しました。ジクロロメタンを用いることで、有機アミンと酸塩化物はジクロロメタン層(下層)に残り、塩基は水層(上層)に残ります。つまり、水より重い有機溶媒を用いることで、有機層中で酸塩化物はアミンとだけ反応させ、生成するHClをNaOH水溶液中にて中和させることで解決しました。

参考文献)ウォーレン有機化学 上 第二版 p206

ヒドロキシ基は非常に強い活性化基なので、臭素化は三回起こります。(臭素の当量にもよると思います。この問題では明記していないのでもしかすると一当量のみで一置換かもしれません。)

※水素の接触還元です。水素ガスは求核性が低いため、一般的にカルボニル化合物は還元しません。(つまり、C=O結合は還元できません。)そのため、水素ガスはC=CやC=N、C≡Cおよび、C≡Nのようなより弱い二重結合や三重結合を選択的に還元できます。

参考文献)ウォーレン有機化学 上 第二版 p548

クルチウス転位です。
よって、(G)はイソシアナートで(H)はアミンです。

イミンを経由する還元的アミノ化です。Gabriel合成は第一級アミンにしか適用できません。そのため、第二級以上のアミンを合成する際は、今回のような還元的アミノ化や、他にもアミドに変換してから還元する方法などを用いる必要があります。


アルコールなどのプロトン性極性溶媒を用いると、グリニャール試薬と溶媒が反応してしまいい、グリニャール試薬ができない。また、グリニャール試薬はMgが四配位構造をとり、そのマグネシウムにエーテル酸素が配位することによって安定に存在する。そのため、ジクロロメタンなどのエーテル以外の非プロトン性極性溶媒であっても溶媒中で安定してグリニャール試薬が存在することはできない。


3級ハロゲン化アルキルなので、立体障害の問題から$\rm S_N2$反応も起こりづらく、$\rm Br^-$が脱離したのちにカルボカチオンが平面構造をとることができないため不安定になるため、$\rm S_N1$反応も起こりずらい。よって、求核置換反応を起こしにくい。

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