アルケンのエポキシ化には
- 過酸を利用する一段階反応
- ハロヒドリンを経由する二段階反応
の2種類が存在します。
過酸によるエポキシドの合成
アルケンが過酸を攻撃することでエポキシドが生成します。
より具体的には、
アルケンのC=C二重結合のHOMO被占$π$軌道(電子が豊富)が過酸のO-O単結合のLUMO$σ^*$空軌道(電子が少なく、求電子的)へ攻撃します。
また、トランスアルケンを過酸でエポキシ化するとトランス生成物ができ、シスアルケンを過酸でエポキシ化するとシス生成物ができます。
反応機構は以下のように表すことができます。($ m-{\rm CPBA}$は代表的な過酸です)
ハロヒドリンを利用する合成法
エポキシドを合成するもう一つの方法はアルケンへのHO-Xの求電子付加で作られるハロヒドリンを利用するものです。
ハロヒドリンを塩基で処理すると、HXが脱離してエポキシドが生成します。