Birch還元はアルキンへ水素をanti付加させる反応です。
これは、cyn付加であるLindlar触媒によるアルキンへの水素付加と相補的な反応です。
アルケンだけではなく、Birch還元は芳香族をジアルケンにするのにも用いられます。
問題で出やすいのは、この生成するジアルケンがついている官能基が電子供与基を電子吸引基かによって、生成するジアルケンの構造が異なります。
電子供与基の場合は、プロトン化がメタ位で起こるため、官能基がついている炭素には二重結合が残り、その対面にある結合の二重結合が残ります。
電子求引基の場合は、プロトン化がイプソ位で起こるため、官能基がついている炭素には二重結合は残りません。そして、残りの対面同士の二重結合が2つ残ります。
以上の反応機構は以下のとおりです。