ジエステルは分子内Claisen縮合を行い、環状のケトエステルになることができます。この分子内Claisen縮合のことをDieckmann環化といいます。(これと似たようなものにジケトンの分子内アルドール縮合があります。)
このDieckmann環化は1,6-ジエステルと1,7-ジエステルのときに最も良く生成物が得られます。1,6-ジエステルの場合は五員環β-ケトエステルができ、1,7-ジエステルの場合は六員環β-ケトエステルができます。以下は1,7-ジエステルのDieckmann環化の反応機構の例です。
このDieckmann環化によってできた五員環β-ケトエステルや六員環β-ケトエステルは更にアルキル化と脱炭酸を行うことができます。