シモンズースミス反応はハロゲンを含まないシクロプロパンを合成する反応です。
遊離のカルベンを含まず、カルベンと類似した反応性を持つ金属錯体のカルベノイドを利用します。(ここでいうカルベノイドは下の図の中央にある、ヨードメチル亜鉛のことです。)
また、$\rm Zn(Cu)$は分子ではなく金属クラスターです。この金属クラスターと$\rm CH_2I_2$を反応させると炭素ー亜鉛間の結合が形成され、ヨードメチル亜鉛ができます。
炭素ー亜鉛間の結合を形成する機構はおそらくグリニャール試薬や
有機リチウム試薬と似たようなものだと考えられています。
アルケンが存在するとヨウ化亜鉛が二重結合に移動させてシクロプロパンを与えます。
反応機構は調べてないので述べることはできませんが、反応はsyn付加で進行します。