Storkエナミン反応(エナミンを用いるMichael反応)

エノラートイオンではないですが、エナミンもMichael型の反応によりα,β-不飽和受容体に付加することができます。エナミンはα炭素上の電子密度が高く、求核性が強い点でエノラートイオンに似ています。(下図)


このエナミンですが、ケトンからつくることができます。反応機構は求核付加反応で、これは平衡反応なので、エナミンからケトンに戻すこともできます。そのため、ケトンをまずエナミンに変えておいて、続いてそのエナミンをMichael反応によりα,β-不飽和カルボニルに付加させ、できる付加生成物もエナミンなので、これをまたケトンに戻すことで、結果ケトンのC=Oの炭素の隣の炭素に付加させることができます。
この

(1)ケトンからエナミンの生成
(2)α,β-不飽和カルボニル化合物に対するエナミンの付加(Michael型反応)
(3)エナミンの加水分解によるケトンの再生

の3段階からなる反応をStorkエナミン反応といいます。

(1)(3)の反応は前に書いたと思うので、反応機構は(1)(3)は省略します(あと(1)(3)は互いに逆反応です)。

Storkエナミン反応の反応機構の例

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