(1)(a)
(1)(b)
(1)(a)の図より、$1π^*$軌道が二重に縮重しているため、スピンの方向が揃って軌道に入る。そのため、スピンが打ち消し合わないため、磁性が生じる。つまり、常磁性が生じる。
(1)(c)オゾンの酸素原子はそれぞれ$sp^2$混成軌道を3つ、$p$軌道を1つ持っている。中央の$sp^2$混成軌道の内1つは非共有電子対である。よって、この反発により、オゾン分子は折れ線型となる。
(2)(d)
$\newcommand\OO{[{\rm O_2}]}\newcommand\O{[{\rm O}]_{\rm ST}}\newcommand\M{[{\rm M}]}\newcommand\OOO{{[\rm O_3]_{\rm ST}}}$
$\rm O$の定常状態近似式は
$$\b
2j_1\OO-k_2\O\OO\M+j_3\OOO-k_4\OOO\O&=&0\tag{1} \\
\e
$\rm O_3$の定常状態近似式は
$$k_2\O\OO\M-j_3\OOO-k_4\OOO\O=0\tag{2}
である。$(1)+(2)$より
$$\b
2j_1\OO-2k_4\OOO\O&=&0 \\
\O&=&\f{j_1\OO}{k_4\OOO}\tag{3} \\
\e
$(3)$式を$(2)$式に代入すると、
$$\b
k_2\f{j_1\OO}{k_4\OOO}\OO\M-j_3\OOO-k_4\OOO\f{j_1\OO}{k_4\OOO}&=& 0\\
j_1k_2\OO^2\M-j_3k_4\OOO^2-j_1k_4\OO\OOO&=&0 \\
j_3k_4\OOO^2+j_1k_4\OO\OOO-j_1k_2\OO^2\M&=&0 \\
\OOO^2+\f{j_1\OO}{j_3}\OOO-\f{j_1k_2\OO^2\M}{j_3k_4}&=&0 \\
\e
よって、
$$\b
α&=&\f{j_1\OO}{j_3} \\
β&=& -\f{j_1k_2\OO^2\M}{j_3k_4}\\
\e
となる。
(2)(e)$x^2+αx+β=0$二次方程式の解の公式は
$$x=\f{-α±\sqrt{α^2-4β}}{2}
であるから、
$$\b
\OOO&=&\f12\s{\f{j_1\OO}{j_3}±\sqrt{\s{\f{j_1\OO}{j_3}}^2+\f{4j_1k_2\OO^2\M}{j_3k_4}}} \\
\e
となる。しかし、$\f{j_1\OO}{j_3}-\sqrt{\s{\f{j_1\OO}{j_3}}^2+\f{4j_1k_2\OO^2\M}{j_3k_4}}<0$となるので、不適。
よって、
$$\OOO=\f12\s{\f{j_1\OO}{j_3}+\sqrt{\s{\f{j_1\OO}{j_3}}^2+\f{4j_1k_2\OO^2\M}{j_3k_4}}}
である。
(2)(f)
(2)(e)の答えの二乗根の中を整理すると、
$$\b
\s{\f{j_1\OO}{j_3}}^2+\f{4j_1k_2\OO^2\M}{j_3k_4}&=&\f{j_1^2k_4\OO^2+4j_1k_2j_3\OO^2\M}{j_3^2k_4} \\
&=&\f{k_4j_1×j_1\OO^2+4k_2j_3\M×j_1\OO^2}{j_3^2k_4} \\
&& k_2j_3\M>>k_4j_1のとき、\\
&=&\f{4k_2j_3\M×j_1\OO^2}{j_3^2k_4} \\
&=&2^2\OO^2\s{\f{j_1k_2\M}{j_3k_4}} \\
\e
よって、これを(2)(e)の答えに代入すると、
$$\b
\OOO&=&\f12\s{\f{j_1\OO}{j_3}+2\OO\sqrt{\f{j_1k_2\M}{j_3k_4}}} \\
&=&\f12\s{\f{j_1}{j_3}+2\sqrt{\f{j_1k_2\M}{j_3k_4}}}\OO \\
\e
となる。よって、比例係数は
$$\f12\s{\f{j_1}{j_3}+2\sqrt{\f{j_1k_2\M}{j_3k_4}}}
と表すことができる。
(2)(g)
$c$を単位面積あたりの濃度、$d$を光路長とすると、ランベルトベール式
$I=I_0(1-σ)^{N}$より、以下が成り立つ。
$$\b
I&=&I_0(1-σ)^{N}(この条件ではNに当たるのはcdとなる) \\
\f{I}{I_0}&=&(1-σ)^{N} \\
\ln \f{I}{I_0}&=&N\ln (1-σ) \\
&=& 0+N×\f{1}{1-0}×(-σ)+N×\s{-\f12}\f{1}{(1-0)^2}×(-σ)^2+・・・(マクローリン展開)\\
&=&-Nσ(\because σ<<1のため、二次以降無視) \\
&=&-σcd\\
\f{I}{I_0}&=&\exp{(-σcd)}\\
I&=&I_0\exp({-σcd})
\e
ここで、$\rm O_3$の濃度が$1$%減少した際の濃度は$\f{99}{100}c$であるから、
濃度減少後の透過光の強度を$I’$とすると、
$$\b
I’&=&I_0\exp{(-σ・\f{99}{100}c・d)} \\
\f{I’}{I}&=&\f{I_0\exp(-σ・\f{99}{100}c・d)}{I_0\exp(-σcd)} \\
&=&\exp\s{-\f{99}{100}σcd-(-σcd)} \\
&=& \exp\s{\f{σcd}{100}}\\
&=& \exp\s{\f{1.1×10^{-17}・9.1×10^{-18}・1}{100}}\\
&=&\exp\s{\f{10.01×10}{100}}\\
&\simeq&\exp(1)\\
&=&2.7
\e
よって、2.7倍となる。
(2)(h)
$\rm O$と$\rm O_2$が反応に関係のない化学種$\rm M$に衝突することで、$\rm O$と$\rm O_2$のエネルギーが減り、より安定な$\rm O_3$が形成されると考えることができる。つまり、Mは$\rm O$と$\rm O_2$のエネルギーを受け取る役割をしている。そのため、$\rm O_3$が存在するということはMがエネルギーを受け取っているということに対応すると考えられる。