H30 第Ⅱ限 無機化学2

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(1)①(a)c=1,d=1,e=3
       (b)Aカチオンの配位数は12 , Bカチオンの配位数は6

 ②(a)$\rm r=\f{r_c}{r_a}$
(b)6配位の場合は塩化ナトリウム型構造を取る。塩化セシウム型構造を取れる限界は以下の図の場合のときである。これより陰イオンが大きい場合は陰イオン同士が接触してしまい、安定に存在することができない。

図引用)https://kimika.net/r3genkaihankei.html
$$\mathrm{ \begin{align}
2(r^{+}+r^{-})&=\sqrt{ 2 }×2r^{-}\\
↔︎ \frac{ r^{+}+r^{-} }{ r^{-} } &=\sqrt{ 2 } \\
↔︎ \frac{ r^{+}}{ r^{-} } &=\sqrt{ 2 }-1 \geqq 0.41 \\
\end{align} }$$
また、逆に、陰イオンが小さすぎても、より安定な8配位構造である塩化セシウム型をとってしまう。8配位構造を取れる限界は以下の図の場合のときである。これより陰イオンが大きい場合は陰イオン同士が接触してしまい、安定に存在ることができない。
図引用)https://kimika.net/r3genkaihankei.html
\begin{align}
2(r^{+}+r^{-})&=\sqrt{ 3 }×2r^{-}\\
↔︎ \frac{ r^{+}+r^{-} }{ r^{-} } &=\sqrt{ 3 } \\
↔︎ \frac{ r^{+}}{ r^{-} } &=\sqrt{ 3 }-1 \geqq 0.73 \\
\end{align}

よって、6配位が安定に取れるrの範囲は
$$0.41\leqq r<0.73$$

(a)ccp (b)八面体 (c)1/2 (d)四面体 (e)1/4 (f)反平行 (g)打ち消し合う
(h)平行 

※$\rm Fe_3O_4$の場合、八面体サイトと四面体サイトは反強磁性的な超交換相互作用が働いているため,$\rm Fe_3O_4$は実質$Fe^{2+}$の磁気モーメントだけが残り磁性に寄与します。

参考)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsssj/38/12/38_608/_pdf/-char/ja
http://www.magnet.okayama-u.ac.jp/magword/ferri/index.html

$\rm Fe^{3+}$は$\rm d^5$の電子配置を持ち、LFSEは0。よって、$\rm Fe^{2+}$のLFSEがより安定になるような構造を取る。$\rm Fe^{2+}$が四面体サイトに入る場合、$\f35Δ_o=\f{4}{15}Δ_t$の安定化、八面体サイトに入る場合、$\f{2}{5}Δ_t$の安定化で、より安定になるのは八面体サイトに入る場合である。そのため逆スピネル型を取る。

化学式あたりの不対電子数は4である。そのためスピンオンリーの磁気モーメントは
$\sqrt{4(4+2)}=2\sqrt{6}=2×1.4×1.7=4.76μ_{\rm B}$

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