H29 無機・分析化学分野2

平成29年度の化学(専門)の問題はこちら
【ア】(L)  , 【イ】(A)  ,【ウ】(G) ,【エ】(H) ,【オ】(B) ,【オ】(C) 

i)F>Cl>I
ii)NH3>H2O>OH

金属イオンの分光化学系列は、W>Mo>Crとなり、下の周期の元素ほど分光化学系列の順番が上になる。これは、下の周期の金属の方が最外殻のd軌道の広がりが大きいため、配位子の軌道と強く相互作用できるためと考えられている。分光化学系列の順番はd-d遷移のエネルギー差であるため、Wが最もd-d遷移のエネルギー差が大きいため、もっとも吸収体が短波長になる。
d9配置であるCu2+錯体はヤーンテラー効果により、正方歪みを生じる。つまり、Cu2+においては、dz2軌道が不安定化するため、z軸方向の配位子ー金属間距離が大きくなる。そのため、この距離が大きいz軸の2つの配座に対して、一分子であるエチレンジアミン配位するのは困難であるため、[Cu(en)3]2+の生成比は極めて小さくなる。

スポンサーリンク