H29 無機・分析化学分野2

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【ア】(L)  , 【イ】(A)  ,【ウ】(G) ,【エ】(H) ,【オ】(B) ,【オ】(C) 

i)$\rm F^->Cl^->I^-$
ii)$\rm NH_3>H_2O>OH^-$

金属イオンの分光化学系列は、$\rm W>Mo>Cr$となり、下の周期の元素ほど分光化学系列の順番が上になる。これは、下の周期の金属の方が最外殻のd軌道の広がりが大きいため、配位子の軌道と強く相互作用できるためと考えられている。分光化学系列の順番はd-d遷移のエネルギー差であるため、$\rm W$が最もd-d遷移のエネルギー差が大きいため、もっとも吸収体が短波長になる。
$\rm d^9$配置である$\rm Cu^{2+}$錯体はヤーンテラー効果により、正方歪みを生じる。つまり、$\rm Cu^{2+}$においては、$d_{z^2}$軌道が不安定化するため、z軸方向の配位子ー金属間距離が大きくなる。そのため、この距離が大きいz軸の2つの配座に対して、一分子であるエチレンジアミン配位するのは困難であるため、$\rm [Cu(en)_3]^{2+}$の生成比は極めて小さくなる。

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