原子半径は、共有結合半径、ファンデルワールス半径、イオン半径、金属結合半径の4つに分類できます。
共有結合半径
共有結合半径は、その元素の原子が主として共有結合であるような場合の結合距離に対して、寄与するときの典型的な値を表します。この値は多重結合のないときの目的元素を含む既知の共有結合の長さから計算されます。例えば、フッ素の共有結合半径は等核2原子分子の$\rm F_2$の核間距離の$\f{1}{2}$の長さになります。
ファンデルワールス半径
ファンデルワールス半径の値は、接触はしているものの、互いに結合していない原子間の最近接距離から計算されます。2つの原子のファンデルワールス半径の和は、固体化合物の構造中で、結合はしておらず、また、押し付けられて接近しているのでもない、2つの直接隣り合っている原子に見いだされる最短距離と考えることができます。
イオン半径
イオン半径は、それらの元素の主としてイオン性化合物に見いだされるときの各種イオンに割り当てられる半径のことを示します。この値は、その原子の酸化状態や隣接原子の数、他のイオンの特性、共有性の程度など、多くの各要素に依存していると考えられます。実際に、酸化状態によって異なるイオン半径の表が用いられます。
金属結合半径
金属結合半径は、単体金属固体中での隣り合う金属間距離の半分の距離のことです。