有機金属化合物

炭素が金属原子に直接結合している化合物を有機金属試薬といいます。
C-M結合がないといけないので、以下のように炭素が存在していたとしても、Mに直接結合していない場合は有機金属化合物とは言いません。
$$\rm ○:C_6H_5Ti(OC_3H_7)_4 $$
$$\rm ×:Ti(C_3H_7O)_4$$→Oで結合しているため

イオン性の高い有機金属

電気陽性の高い有機金属とは主にイオン性化合物を作ります。この化合物は一般的に反応性が高く、不安定で分離するのが難しいです。しかし、カルボアニオンの非局在化が起こる場合は反応性を保ちつつ、安定性が増加します。
この例としては以下のようなものがあります。
$$\rm (C_6H_5)_3C^- Na^+$$

共有結合性の高い有機金属

遷移金属は電気陽性の低い金属や、非金属原子の場合配位子とσ結合を形成し、共有結合性の強い錯体を形成します。つまり通常の原子価が適用されます。
例としては以下のようなものがあります。
$$\rm (CH_3)_3SnCl , (CH_3)SnCl_3 $$この有機金属は有機化学的な制御された反応を起こします。ただ、炭素の化学との違いもあり、その特徴を以下に4つ挙げます。

(a)$SiR_4$などに見られるように、$CR_4$とても考えられなかったエネルギーの高いd軌道を使用できること
(b)$\rm PEt_3,SMe_2$ などの、非共有電子対をもったアルキル化合物やアリール化合物のを供与することができる
(c)$BR_3$におけるような不完全原子価殻によるルイス酸性や$ZnR_2$のような配位的な不飽和性
(d)M-CおよびC-C結合の間の電気陰性度の差による効果

参考: コットンウィルキンソンガウス 基礎無機化学 p642

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