水素の同位体

水素には同位体が3つあります。水素$\rm ^1H,H$、重水素$\rm ^2H,D$、トリチウム(三重水素)$\rm ^3H,T$です。この内、トリチウムは放射性同位体です。

$\rm ^1H$はいわゆる普通の水素で、英語ではhydrogenの他に、同位体としてのprotiumu(プロチウム)という名称も使用されます。ほとんどの水素はこの水素で、存在比は$99.984%$です。

$\rm ^2H,D$は重水素、英語ではheavy hydrogenやdeuterium(デューテリウム)と呼ばれます。重水素の存在比は$0.016%$です。水素の同位体効果の利用にもよく用いられます。これは、重水素の産業利用は多岐にわたるので、工業的に生産されていますが、とても高価です。

$\rm ^3H,T$は三重水素で、英語ではtritium(トリチウム)と言われます。存在比はものすごく小さく、$1×10^{-15}%とも、1×10^{-18}%とも$言われています(とにかく少ない)。
放射性物質で、半減期は12.4年、ベータ崩壊します。
セシウムやヨウ素はイオン交換すれば除去できますが、トリチウムに関しては、化学的に除去する方法はなく、そのため、原発の汚染水に関しては、トリチウムが大量に含まれているそうです(2016年現在)。
産業利用では、放射性物質としての性質を活かし、細胞発光塗料(トレーサー)などの利用方法があります。

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