環員数

環員数というのは、金属に対して配位した後に、金属を含めて、なん員環になっているかという数字です。

環員数は3が一番不安定です。
そして、環員数は5が一番安定です。

これは結合角によって決まります。

普通の$sp^3$混成の角度が109°でしたので、それに一番近い108°の角度をもつ五員環が一番安定です。
ただし、金属周りの結合角は90°になります。
そのため、そのほかの内角は
$$\f{540°-90°}{4}=112.5°$$ となります。

また、$sp^3$混成で形成された配位子平面型ではなく、いす型や舟型に似たような、歪んだ構造をとります。
そのゆがみ方はskew型とenvelope型と呼ばれています。
この二つはどちらのほうが安定でしょうか?
これは上の→の方向の目線から見ると、skew型だと、重なっていませんが、envelope型は重なっています。
そのため、基本的にはskew型が安定です。

$sp^2$の混成軌道の結合角は120°です。
そのため、実は、六員環のほうが安定です。そのような配位子もあります。それはアセチルアセトナトです。


つまり、6員環の場合が安定な配位子は$sp^2$混成軌道を形成していることがわかります。
この場合でも、金属周りの結合は90°なので、
その他の結合内角は124°になりますが、あまり平面構造への影響はないです。

逆に、歪化合物である4員環や3員環は不安定なので、反応性が高いと言えます。

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