サッカー・テトロードの式は、単原子気体のエントロピーを求めるための式です。
式は以下のようなものです。
$$\b
S&=&nR\ln\s{\f{e^{\frac{5}{2}}V}{nN_AΛ^3}} \\
Λ&:&\f{h}{\sqrt{2πmkT}} (熱的波長)\\
&&ですが、\\
V&=& \f{nRT}{P}(気体の状態方程式より)であるため、\\
S&=&nR\ln\s{\f{e^{\frac{5}{2}}kT}{PΛ^3}} \\
&& と書くこともできます。\\
\e$$
導出
$Q=\f{q^N}{N!}$と置く。(区別できない非局在系)
$$\b
S&=&\f{U-U(0)}{T}+Nk\ln q -k\ln N! \\
&&stirlingの近似式 \ln N!=N\ln N-Nより\\
S&=& \f{U-U(0)}{T}+Nk\ln q -kN\ln N+kN\\
&=& \f{U-U(0)}{T}+nR\ln q -nR\ln N+nR\tag{1} \\
&&(∵N=nN_A,kN=knN_A=nR) \\
\e $$
並進エネルギーだけ考えればいいので、
$$\b
U-U(0)&=&E \\
&=& \f{3}{2}nRT\\
\e$$ で、
$$\b
q&=&\f {V}{Λ^3}(並進の分配関数) \\
\e$$ したがって、$(1)$式は
$$\b
S&=&\f 32 nR+nR\s{\ln\f{V}{Λ^3}ー\ln nN_A +1} \\
&=&nR\s{\ln e^{\frac 32}+\ln\f{V}{Λ^3}-\ln nN_A +\ln e} \\
&=& nR\ln\s{\f{e^{\frac 52}V}{nN_AΛ^3}}\\
\e $$となり、導出することができました。
この式はドイツ出身のオットーとともに
オランダの理論物理学者、ヒューゴー・テトロードが17歳のときに発表した式です。