不確定性原理

古典力学では、任意の物体の位置と運動量を同時に決めることができるが、電子のように小さくて軽い粒子の場合には、同時に決めることができない。
Heisenbergによると、位置の不確定さ$Δx$と運動量の不確定さ$Δp_x$との間には
$$Δp_xΔx≧\f{h}{4π}\tag{1} $$の関係がある。つまり、位置と運動量(あるいは速度)のうち、どちらか一方の不確かさを0とすると、残りの一方の不確かさは無限大になってしまう。
同様な関係が時間$t$とエネルギー$E$の間にも成り立つ。
$$ΔEΔt≧\f{h}{4π}\tag{2} $$ただし、$(1)$と$(2)$の間には決定的な違いが存在している。それは、系のエネルギー$E$はあらゆる時刻$t$で定まった値を持ちうるということである。$ΔE$は2つの異なった時刻$t_1$と$t_2$($Δt=t_2-t_1$)で測定したエネルギー$E_1$と$E_2$の差であって、ある与えられた時刻でのエネルギーの不確定さを意味するものではない。

例題
一辺$\rm 1.0nm$の立方体のはこの中に閉じ込められた電子の速度の不確定性はどの程度か、陽子の場合はどうか?

解答
電子の質量を$m_e$,速度を$v$,運動量を$p$とすると、
$$Δp=Δ(m_ev)=m_eΔv $$であるから、不確定性原理$Δp_xΔx≧\f h {4π}$より、
$$\b
m_eΔv_xΔx&≧&\f{h}{4π} \\
Δv_x&≧&\f{h}{4πm_eΔx} \\
&=& \f{6.63×10^{-34}[{\rm Js}]}{4×3.14×9.11×10^{-31}[\rm kg]×1.0×10^{-9}[m]}\\
&=& 5.8×10^4{\rm [ms^{-1}]}\\
\e $$同様にして、陽子の質量を$m_p$とすると、
$$\b
m_pΔv_xΔx&≧&\f{h}{4π} \\
Δv_x&≧&\f{h}{4πm_Δx} \\
&=& \f{6.63×10^{-34}[{\rm Js}]}{4×3.14×1.67×10^{-27}[\rm kg]×1.0×10^{-9}[m]}\\
&=& 32{\rm [ms^{-1}]}\\
\e$$

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