分子動力学法

分子動力学法は分子シュミレーション法の一種です。
分子シミュレーション法とは、系の構成要素である分子レベルといった微視的な立場に立って分子の運動を追跡することにより現象を解明しようとする方法です。(この点で、連続体としての支配方程式を差分法や有限要素法などで、離散化して、その方程式の解を求める数値解析法とは異なります。)

そして、この分子シミュレーション法は分子動力学法とモンテカルロ法に大別することができます。

分子動力学法は、系を構成する粒子のの運動方程式を時間について離散化し、それらの方程式を連立して解いて、粒子の運動を追跡していく方法です。
熱力学的平衡状態を対象としたシミュレーションの場合には、ニュートンの運動方程式は、小正準集団に対してのみ適用ができます。他の統計集団を対象とする場合には、ニュートンの運動方程式とは別の運動方程式を用いなければいけません。
一方、非平衡な現象をシミュレートする場合はニュートンの運動方程式(定エネルギー分子動力法)を用います。

参考文献)
神山新一・佐藤明 「分子動力学シミュレーション」 朝倉書店 1997  p2. p12

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