露光装置

露光装置にはコンタクト露光装置と縮小投影露光装置の二つがあります。コンタクト露光装置はレジストを塗ったウエハーに直接コンタクトさせ、一括で露光する装置です。この装置のメリットは構造がシンプルなので安いことです。しかし、マスクをレジストにコンタクトさせるためにマスクにウェーハ―状のゴミが付着したり、傷がついたりするという問題もあります。また、マスクの最小寸法はウェーハ―状に焼き付ける最小寸法と同じ世代の技術で作らなければならないため、微細加工に向きません。そのため、最近の半導体プロセスではほとんど使用されていません。
縮小投影露光装置はマスク(レチクル)のパターンを光学系で縮小してウェーハ上に焼き付ける方法です。これはマスク上へのゴミの付着や傷はつきません。また、通常、1/4か1/5に縮小するのでマスクの最小寸法はレジストに焼き付ける最小寸法より大きな倍率で作れるというメリットもあります。

縮小投影露光装置について
マスクパターンを縮小して焼き付けるため、コンタクト露光法のように一回での露光でマスクパターンをウェーハに焼き付けることはできません。ウェーハとマスクを早退的に動かしてウェーハ全面に焼き付けるという方法をとります。マスクとウェーハの相対的な動きに関しては、ステップ&リピート法(装置はステッパーと呼ばれます)とスキャン法(こちらの装置はスキャナといいます)があります。現行の最先端装置はスキャン法を採用しています。

露光装置の構成
露光装置の一例として、ArFスキャナの装置の構成概略を書きます。
露光装置は光源、光学系(ビーム形成や投影レンズを含む)、ウェーハ―ステージ、ウェーハのローダーやれ作るのローダー、全体の制御系から成り立っています。装置の上にはダウンフローやエアフィルターがあり、クリーンルームよりも一段と厳しく管理されています。これは露光装置には微妙な温度や湿度のコントロールが必要だからです。また、化学増幅レジストが使用されるためアンモニアには注意する必要があります。これはケミカル汚染と呼ばれます。
また、微細なパターンを形成する際に振動があるといけないので、ウェーハ―ステージには防振機能がついています。また、LSIは一回の露光では作れないため、その前の露光プロセスで形成されたパターンとの位置合わせを厳密に行う必要があります。この操作をアライメントといいます。このアラメントを行う精度のことは合わせ精度と呼ばれます。
LSIは数十枚のマスクを重ね合わせて作られるので、実際の運用上では様々な露光装置を用いても合わせ精度が保たれる必要があります。このことをミックス・アンド・マッチといいます。
そのため、重ね合わせの相性が良い装置同士を使用する必要があります。

露光装置の光学系はレンズ投下系です。エキシマレーザ光源から出た光はビーム形成光学系で均一なビームにされ、照明光学系で露光に適した勝目以降になりレチクルと透過します。そしてレチクルステージの下の投影レンズでウェーハにパターンが焼き付けられます。投影レンズは複数のレンズの組み合わせでかなりの重量があります。

参考)
・半導体製造装置の基本と仕組み 佐藤淳一 p113~p116

スポンサーリンク