カルボニル化合物の還元

カルボニル化合物の種類によって反応のしやすさや最適な還元剤が異なります。

カルボニル化合物の求核剤に対する反応性の順序は一般に、
$$イミン>アルデヒド>ケトン>エステル>アミド>カルボン酸$$の順番です。
そのため、反応性の低いカルボン酸ほど強力な還元剤が必要になります。
一方、弱い還元剤を用いることで、反応性の高いカルボニル基だけを選択的に還元することができます。

よく用いられる還元剤の強さの順番は以下の通りです。
$$\rm NaBH_3(CN)<NaBH_4<LiBH_4<LiAlH_4$$です。また、この順序に入れることができない少し変わった還元剤として、$\rm BH_3$がありますが、これはイミンとアミドとカルボン酸は還元できますが、アルデヒドとケトンとエステルに対してはゆっくりとしか還元しません。
$\rm LiBH_4$は$\rm NaBH_4$の$\rm Na$を求電子性がより高い金属カチオンである$\rm Li^+$に変えたもので、より反応性が高い還元剤といえます。また、$\rm NaBH_4$はプロトン性溶媒中(エタノールやメタノールなど)のみで反応しますが、$\rm LiBH_4$は非プロトン性溶媒中でも使用することができます。

以下に、それぞれのカルボニル基に使える還元剤をまとめます。

$\rm NaBH_4$によるカルボニル化合物の還元の反応機構はこちら

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