第一種の過誤は別名偽陽性とも言われ、本当は検出対象になってはいけないのに、検出されてしまうことです。反対に第二種の過誤とは別名偽陰性ともいわれ、本当は検出対象であるはずなのにその検出から漏れてしまうことです。
実際の検出では原理的にこの2つの過誤を排除することができませんが(必ずどちらの過誤もも起こる)、基準値の位置によって、この過誤の割合を変えることができます。
どちらの過誤を小さくするかは、起こったときにどちらのほうがリスクが高いかということを考慮して基準値の位置を考えます。
刑事事件などは、冤罪が第一種の過誤で、犯人であるにもかかわらず、無罪にしてしまうのが第二種の過誤と言えます。
基本的には、冤罪のリスクのほうが重く認識されているため、第一種の過誤をできるだけ小さくなるように基準を設けます。(三審制などにより、冤罪の割合を小さくする)
もっと身近な例としては、飲酒運転の検問所などでは、かなり高いアルコール度数が基準値として設けされています。そのため、少し飲酒していたとしても、検問所をパスできるということもありえますが、これは逆を返せば、検問所で検査を引っかかった場合は言い逃れができないうことでもあります。
病気の検査などは、病気ではないけれども、病気と診断してしまうのが第一種の過誤で、羅患を見落としてしまうのが第二種の過誤です。
大半の場合、羅患を見落としてしまうことの方が大きいリスクと捉えることができますので、
第二種の過誤ができるだけ小さくなるように、緩やかな診断基準を設けることが多いです。(病気の判断基準を下げることで、羅患の見落としの割合を小さくする)。これは逆を返せば、病気ではないのに、病気であると診断してしまう割合が大きくなるということでもあります。