H28 有機化学基礎

H28有機化学基礎の問題はこちら

(a)立体配座は例えば、単結合の回転など、結合を切らなくても相互に変換できる分子空間的な配置のことであり、それらを変化させるために乗り越えなくてはならないエネルギー障壁は大きくなく、反応の過程で容易に変換する。しかし、立体配置は結合を切らなくては相互変換できないような空間的な配置である。例えば、トランス、シス異性体などである。

(b)共鳴構造は極限構造式であらわされる構造のことで、電子が非局在化されている様子を示す構造である。そのどれもが同じ構造のことをあらわしており、異なる物質ではない。互変異性体とは、ある物質に対して平衡が成り立っている分子のことであり、お互いの変換には結合の切断を経る必要がある上、お互いは同じ物質ではない。

(c)E1反応では、まず、脱離基が脱離し、カルボカチオンが生じる。そのカルボカチオン炭素に隣接する炭素についている水素が脱離し、二重結合を生成する。E1反応における律速段階は1段階目の脱離反応が律速段階となる。

E1cb反応は塩基性条件下において、脱離基の脱離能が低く、かつβ-炭素上に電子求引基が存在するときにおこる反応である。β-炭素の酸性プロトンが脱離した後、共役塩基を経て脱離基が脱離することによって、二重結合が生成する反応である。E1cb反応の律速段階は二段階目の脱離反応である。


化合物A、化合物Bともに1745$[{\rm cm^{-1}}]$,1720$[{\rm cm^{-1}}]$に吸収が出ているため、カルボニル化合物であることがわかる。

(f)

(g)
電子求引基をもち、カルボニル炭素の電子を共鳴吸収する②のほうがカルボニル炭素のδ+性が増大するため、反応速度が上昇すると考えられる。


ピナコール転位だと思われます。
このリンクの先の記事を参考にしました。


スポンサーリンク